根治を目指すアトピー性皮膚炎の漢方

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎とは、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら長期間皮膚の炎症を繰り返すアレルギー疾患です。乳児では2か月以上、幼児から成人では半年以上の期間症状が続くとアトピー性皮膚炎と診断されます。原因は皮膚のバリア機能の低下とアレルギー源です。この2つが重なり、皮膚炎を繰り返すのがアトピー性皮膚炎です。また、乾燥や湿気、温度差などの環境の変化、過労やストレス、睡眠不足、飲食などの生活習慣も症状に影響を与えます。
アトピーの症状は人や経過によって、出方が変わります。カサカサしている方、ジュクジュクと浸出液の多い方、赤みの強い方、ゴワゴワと苔癬かしている方など症状が変わります。

長年アトピーで悩んでいる方はアトピーの症状があることが当たり前だと感じておられる方が多いのではないかと思います。しかし、アトピーは体質改善を通して体の内側から整える事で根治することが目指せます。アトピー素因などの遺伝的な要因も関与しますが、正常なバリア機能を作り出せるようになることが根治に必要です。

バリア機能の低下について

アトピーの問題がバリア機能の低下です。上のイラストは表皮の構造です。表皮は基底層、有棘層、顆粒層、角質層の順で体表部まで並んでおります。そしてお肌は基底層から有棘層へ、有棘層から顆粒層へ、顆粒層から角質層、角質層の剥離と変化していきます。この肌の入れ替わりのサイクルを皮膚のターンオーバーと呼びます。皮膚の構造は正常な皮膚のターンオーバーは28日~年齢の1.5倍程度が一般的です。しかし、アトピーの方のターンオーバーは短くなり未熟な肌が出来てしまいます。その為アレルゲンが入り込みやすく刺激を受けやすくなり、皮膚炎を起こしてしまいます。アレルギーがあってもアレルゲンの侵入を防げる丈夫なお肌が作れるようになれば症状は出にくくなります。
漢方薬での治療の目的は、この表皮のターンオーバーを正常にし丈夫な肌を作ることです。そして、中医学では「皮膚は内臓の鏡」と言い丈夫な肌を作るためには内側の内臓から整えていく必要があります。ちなみにこの表皮の中にも五臓が存在します。

漢方で目指すところ

アトピー性皮膚炎のイメージ図

アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患は3つの要素がそろうと発症します。
1、遺伝:アレルギー反応を起こす遺伝など。
2、アレルゲン:アレルギーを引き起こすもの
3、体質、抵抗力:体質、お体の状態は様々な要因で変化します。

遺伝は遺伝子操作は不可能ですから変えられません。
アレルゲンをなくすのもなかなか大変です。アレルゲンを減らす努力はもちろん必要です。アトピー性皮膚炎ではダニなどのハウスダストのケアをしましょうね。
そこで変えられる部分は体質や抵抗力です。漢方薬得意の体質改善です。
上の図のように体質改善を通して抵抗力を正常にし、アトピーになる部分をなくすのが漢方薬の目的です。

 

悠伸堂でのアトピー治療の流れ

①症状を抑える
赤み、かゆみ、時には痛み、皮膚が剥がれ落ちる、お風呂に入るとしみるなど辛い症状の改善に努めます。

②肌を丈夫にする
五臓六腑を整え丈夫な肌を作るようにしていきます。

③崩れない肌作り
漢方薬、中医学の良いところは時間がかかるものの根治が目指せるところです。季節の変化などにも負けずアトピーで悩むことがなくなることを目指して一緒に頑張りましょう。

悠伸堂での漢方治療(ステップ①)

血熱タイプ:赤み、紅斑、痒みのあるタイプ
生地黄や牡丹皮、赤芍など涼血薬を用いた治療をしていきます。

湿熱タイプ:浸出液がある、丘疹、苔癬化、痒みなどのあるタイプ
茵蔯蒿、竜胆、地膚子、薏苡仁、黄連、黄芩、黄柏など熱と湿を取り除く生薬を用いる。

熱毒タイプ:水泡、糜爛、膿泡、痒痛感のあるタイプ
金銀花、蒲公英、連翹、馬歯莧などの清熱解毒薬を用いる。

ステップ②以降

その方に合わせた体質改善を行っていく。
内臓が冷えている方は温める。胃腸が弱い方には胃腸を丈夫にする。腎が弱い方には補腎薬。ストレスが多く肝の働きが不十分な方には疎肝理気薬などを患者様一人ひとりに合わせて行っていく。

病院での治療との併用について

ご来店くださる患者様からは「ステロイドをやめたい」「ステロイドの副作用が怖い」「薬をやめたらまた元通り」「根本的に治したい」というお言葉をいただきます。

出来ればステロイドをやめれるに越したことはないと考えております。

やめることに抵抗があるかたまずは併用していき、お肌の状態が良くなっていく流れの中で薬が減ってくるのが良いと思います。もちろんステロイドでお肌が弱くなってしまうなど副作用もありますので、根治を目指すうえではいつかはやめれるように一緒に取り組んでまいりたいと考えております。

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スキンケア

皮膚疾患では辛い症状が体表部にあり、外からのケアができます。内臓の疾患ではそこに何かを塗ることはできないですが、皮膚にはできます。そして、痒みから搔き壊してしまうのも悪循環です。できるだけスキンケア用品を併用していただき内側と外側からの治療をしていきたいです。
悠伸堂で扱っているスキンケア用品(爽肌精シリーズ)
ノンパラベン、無香料、無着色でセラミド生成を助ける。中医学の本場中国の医師である中医師が構成を考えた生薬配合の化粧品です。潤いを補う「陰シリーズ」炎症をおさえる「陽シリーズ」、中間型の「薬用シリーズ」があり肌質に合わせたケアができるのが特徴です。

日常生活でのポイント

①胃腸を大事にする
漢方では当たり前のことですが、冷たいもの、生もの、辛いもの、甘いもの、脂っこいもの取りすぎに注意し、食物繊維や発酵食品を多めにとる。

②ストレス
ストレスも風邪(ふうじゃ)という痒みの原因になる邪気の原因になります。ストレスのケアをする。

③搔き壊さない
痒みは辛いです。ついつい掻きたくなってしまいますが、搔き壊さないようにしましょう。痒みのある場合は、冷やす、たたく、爪を立てずに優しく掻くを意識してください。

④アレルゲンのケア
ダニのアレルギーが多いです。できる限りダニのケアをしましょう。特に寝具は布団乾燥機やコインランドリーなどで60℃以上に温めることをお勧めいたします。また、ダニは死骸でもアレルギーを起こしますので掃除機で吸ってください。