高温期が短い・高温期が低い方の体温(黄体機能不全)の漢方の考え方

基礎体温(BBT)のポイント

不妊症相談をしていると高温期が短い・高温期が低いといった基礎体温の方が結構多く見えます。

あなたの基礎体温はどうでしょうか?

基礎体温のポイントは3つです!

約14日ずつの低温期と高温期
②低温期と高温期の体温差が0.3℃以上
③低温期から高温期への移行が3日以内

(基礎体温を測られていない方は基礎体温の測り方のページもご参照ください。)

今回は3つのポイントすべてに関係する高温期が短い、低いといった基礎体温(BBT)について書かせていただきたいと思います。

高温期が短い基礎体温

このような基礎体温の方です。毎度ながら、線は僕が手書きで作っているので奇麗でなくてすみません。
イメージがつかめればOKです!

ポイントは高温相を9日以上、維持できていないことにあります。

基礎体温が2相になるのは黄体ホルモンにより高温相になります。

高温期が短くなるのは、いわゆる黄体機能不全と呼ばれる状態です。無排卵の可能性もあります。

黄体機能不全(LPD)では黄体からのエストロゲンやプロゲステロンの分泌不足や分泌していても子宮内膜が反応していない状態です。

子宮内膜症や高プロラクチン血症を併発している方も多いです。

こういった状態では、良い子宮環境ができにくく着床障害や流産などにつながります。

そのため黄体機能が不十分な場合、生殖医療では黄体ホルモンの補充を行います。

漢方薬でも改善できますがしっかり使い分けることが大事です。それはこの後に書かせていただきますね。

高温期が低い方の基礎体温

低温期と高温期の平均体温差が0.3℃未満になっていることがポイントです。

黄体ホルモンの体温を上げるという働きが不十分と言えます。

この場合も高温期が短い方と同様に黄体機能不全と呼ばれる状態です。

無排卵も考えられます。黄体化非破裂卵胞といい、排卵できていないのに卵胞が黄体化してしまっている状態も考えられます。

卵胞と黄体

卵胞と黄体はそもそも同じものだとご存知でしょうか?

(引用:病気が見える⑨婦人科・乳腺外科 第4版)

卵胞が育ち、排卵します。卵子が飛び出した後の卵胞が黄色い黄体となり、黄体ホルモンを分泌します。

卵胞と黄体はもともと同じもの。良い卵胞が育つことが、良い黄体が出来ることにつながるということを覚えておいてください。

黄体機能不全の漢方の考え方

漢方での治療はホルモンを補ったりするものではなく、ヒトが備え持った赤ちゃんを授かる力を引き出すことです。
その結果として、高温期が安定し着床しやすく流産しにくいお体づくりへと導いてまいります。
黄体機能が不十分な方にどのように考えるか一例を書かせていただきます。

①陽虚

一番多いタイプで冷え冷えのかた!あっためる黄体ホルモンの力が弱いということからもお分かりかと思いますが、温める力不足です。
子宮がしっかり温まって着床しやすく流産しにくいお体に出来るように補陽薬という温める生薬の菟絲子、続断、杜仲、淫羊藿、桂皮、附子などを用います。着床しやすくするために高温期は更にあっためるということをすることも多いです。

②腎虚

足腰がだるい方や髪の毛が抜けたり白髪が気になる方、むくみが気になる方に多いタイプ。五臓のうち卵巣・子宮機能と密接に関係するところです。良い卵胞を育て、良い黄体にするためにも卵巣機能を高めるようにします。
地黄・黄精・山薬などの補腎薬を用います。効果を最大限に出すために鹿角膠、亀板など動物性生薬を併用することも多々あります。

③瘀血

血流が悪いタイプです。黄体ホルモンなどホルモンは血流で運ばれます。ホルモンがしっかり出ていてもそれが卵巣や子宮内膜に届かなければしっかり育ちません。良い卵、良い内膜を作るために血流は整えなくてはなりません。生理痛が酷い方、肩こりが気になる方はこのタイプかもしれません。血流を良くする生薬の丹参・紅花・当帰・川芎などを用いていきます。

④気滞

自律神経の乱れからホルモンバランスが乱れているタイプ。ホルモンバランスが整って良い卵が育つために気がしっかり巡ることが大事です。ストレスが多い、イライラしやすい、生理前に不調が出るなどはこのタイプの可能性が高いです。気の巡りを整える香附子、柴胡、木香、烏薬などの理気薬を用います。

⑤痰湿

不要物が多くて、流れが妨げられているタイプです。道をふさぐ痰濁を取り除き、ホルモンが働きやすい環境を整えましょう。重だるさやむくみがある方、胃腸の動きが良くない方はこのタイプの可能性があります。沢瀉・茯苓・白朮など妨げている不要物を取り除く生薬を用いてまいります。

基礎体温の高温期が短い・低いという黄体機能不全は陽虚を中心に他の要因にもアプローチしていく必要があります。

黄体機能が気になる方は湯舟にしっかりつかる、出来るだけスカートは控えて足首を冷やさない、冷たい食べ物や飲み物を控えるようにもしてくださいね。

高温期が安定せず着床しにくい方は是非ご相談ください。

愛知県岡崎市の漢方薬局┃悠伸堂(ゆうしんどう)

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