イクゾー流漢方理論!中医学の気② 気の生成と運行と異常

こんにちは。悠伸堂薬局のイクゾー先生です。

なかなか更新できていなかったイクゾー流漢方理論を書かせていただきます。

前回は中医学の気の働きについて書かせていただきました!そして今回は前回予告させていただいた通り、気の異常と生成と運行について書かせていただきますね。

読むうえで五臓の話も含まれておりますのでよかったら
おおまかな五臓①おおまかな五臓②も参照ください。

中医学の勉強の進め方

中医学的にお体を考えていく上でまずは正常な働きを理解することが大事です。その結果、正常に働いていないことに気づけます。
例えば、冷えという症状で気虚と考えるのであればどこの気が不足しているのか?どうして気が作れていないのか?など考えていかなくてはなりません。ただ単純に気を補う!人参!というわけではないのです。
更に、冷えという病態は気の巡りが悪い、血流が悪い、血が少ないなどの症状でも出ます。それぞれがしっかり見分けることが出来る必要があります。その為にも正しい生理作用を理解しましょう。

今回は気の生理の続きから最後は以上について書いていきますね!

中医学を学ぶ上で僕が常々思うのは、「まず100%は理解しなくていい!」です。できるだけわかりやすく書いていこうと思っていますが、体は色々なものが相互にかかわりあっています。気から書かせていただいておりますが、気を完全に理解するためには五臓六腑の生理や血や津液、精、経絡など様々な事を学んで理解が深まるんです。中医学2周目はめちゃ勉強になる!1周目時に苦痛を伴う。

大学6年生の時、漢方薬局入社前に通信教育で勉強しておりそれなりに苦痛を感じました。入社後、勉強会などでまた最初から学ぶと楽しいに変わりました。もし中医学をしっかり学びたいと思われている方、分からないことは飛ばしてでも前へ前へ向かいまた戻ってみてください

前回のおさらい

・気を一言でいうとエネルギー!電気をイメージ!
・気の働きは基本的に5つ
・推動作用(ブルドーザー)
・温煦作用(電気ストーブ)
・固摂作用(改札)
・防御作用(空気清浄機)
・気化作用(IHクッキングヒーター)

という話をさせていただきました。前置きが長くなりましたがここからが本題です!

気の生成

気の生成を説明するとなると非常に難しいです。というのも中医学的に気は原気(元気 げんき)、宗気(そうき)、営気(えいき)、衛気(えき)の4種類に分類され、流れる場所、働き、生成過程が異なります。

ただ、ここではシンプルに基本を押さえましょう!!

原料は3つ!水穀の精微、清気、精の3つ!わかりにくいですね。
それぞれを簡単に説明させていただきます。

①水穀の精微:食べた物

食べた物のうち、体の原料になり便として排泄されないものです。簡単にいうと食べ物からの体に必要なものですね。
ここで大事なのは、消化吸収するのは胃腸です。中医学では脾の働きです。良いものを水穀の精微として吸収し、不要物を便として出すためには脾がしっかりしていることが大事です。

②清気:空気

空気の気です。人間呼吸をしています。なぜなら、清気を取り込み濁気を出すため。良い気を作るためには、肺がしっかり働くことが大事です。そして、自然豊かなきれいな空気を吸うことも大事!

③精:生命エネルギー

五臓の腎に蓄えられている生命力の源。精がつくなどでいう精のイメージを持っていただければOKです。

まとめると、空気、食べ物、生命力をもとに気が作られて、肺・脾・腎の働きが大事です。

気の運行

気・血・津液は絶えず体の中をめぐっています。気も当然巡っています。気は昇降出入という動きをしています。上下左右に動いたり、出たり入ったりを繰り返しています。そして、必要なところに必要なだけのエネルギーがあるように調節しています。

五臓のうち気の巡りを調節している大事な臓は肝と肺です。

肝は体のバランスをとるところです。必要なところに必要量の気が行くように回路を作ってくれるような働きです。

肺は気が出たり入ったりするところですし、内臓の一番上に合ってシャワーヘッドのように散布してくれます。

気の異常

気がうまくはたらなくて異常がでるときですね。気の異常には気虚、気陥、気滞、気逆、気脱、気閉などがあります。
気の異常で多い気虚、気滞、気逆の3つを押さえましょう!
気は電気のイメージをそのまま使っていきますね。

気虚:気が少なくなっている状態

分かりやすく言うと電力不足。体内で停電状態でございます。
気の働き5つがうまくいかなくなっちゃいます。症状としては、疲れやすい、倦怠感、むくむ、食欲不振、冷え、汗が止まらない、お小水がちかい、カゼをひきやすい、下痢、便秘などが出ます。気を補うとともに気が作れるようにしてあげる必要があります。

 

気滞:気がとどこおって流れがわるい状態

簡単にいうと漏電状態。電気があるんだけど滞っているといった状態です。症状としては抑うつ、げっぷ、おなら、膨満感、不眠などです。気が巡るようにしてあげるようにします。香りのものなどが良いですね。

 

気逆:気が逆向きにすすんでしまう状態

電気の逆流、ショートしちゃう状態です。イライラ、頭に血がのぼる、吐き気、咳、喘息、しゃっくりなどが代表的な症状です。本来の動きと反対の動きになってしまう症状ですね。気の方向転換するように漢方は調節します。

気については以上になります。少しでも多くの方に漢方の考え方を取り入れていただく機会になればと思います。

愛知県岡崎市の漢方薬局 悠伸堂(ゆうしんどう)