漢方は適切に使うことが大事!誤った漢方による体調不良が改善!

本日2回目の相談を終えた方の報告です!

30代女性 細目

ご来局時の症状は、最近疲れやすい、だるい、なかなか動けない、寝ても疲れがとれない、体が重い、朝起きることができない、食後の眠気がある、不正出血があったという状態です。

疲れや動けないということで仕事に差し支えてしまうということでご相談にお越しいただきました。

ちょうど昨日はイクゾー流漢方理論!中医学の気② 気の生成と運行と異常というブログを書かせていただきました。

イクゾー流漢方理論!中医学の気って何?わかりやすく解説!①と合わせて読んでいただいた方はこの方がどういう状態かわかるのではないでしょうか?

気虚ですね!

疲れやすい、だるい、動けない、食後の眠気などは推動作用が失調している状態と言えます。

不正出血は気の固摂作用の失調、体が重いのは気化作用の失調といったところです。

さてこの患者さんはなぜ気虚になっているのでしょうか?

便秘がちで、ここのところストレスが多くなり過食傾向になってしまい体重が増えてしまった。

そこで、漢方の本などを読まれていた彼女は市販の大柴胡湯を飲んでいたのです。

太線の症状だけ伺ったら大柴胡湯良いんじゃないかと思ってしまいますね。

大柴胡湯は悠伸堂でもそれなりに使う処方ですし、結構メジャーな漢方薬で、市販のダイエットシリーズなんかにも入っています。

気滞で熱のこもるタイプのダイエットのかたには良く用いますし、高血圧、糖尿病、胆石、耳鳴り、肝臓疾患、胃腸疾患など幅広く使われる漢方薬であります。

そして、添付文書には「比較的体力があり~」とされているように、不要物が溜まった病態の実証に用います。

大柴胡湯は気を巡らせる働きが強く、こもった熱をとる働きもあり、便も出し不要物を取り除く漢方薬です。
こんな感じの人に用いられます。

 (引用:腹証図解 漢方常用処方解説 第59版) 

僕のところに来ていただいた患者様はやや細身でどちらかというとパワー不足のタイプです。

悪い物を出していく力の強い漢方で気が消耗してしまったんですね。

もともとはダイエットを考えて飲まれていたのですが場合によっては燃焼力が足りなくなって痩せにくいお体になってしまっていたかもしれません。

この患者様には気を補うことを大事にお体に合うように漢方薬をおつくりしてお渡しいたしました。

飲まれて2週間後の今日、ご様子を伺ったところ元気に動けるようになり、だるさも軽減してきたとの事でした。

ご様子の改善があって患者様と同様に私もうれしかったです。

このように漢方薬を体質と合わないものを飲んでしまうと逆に悪化させてしまうことがあります。

熱・寒、虚・実、表・裏の基本の部分は間違わないようにしなくてはいけないです。

漢方を選ぶときは望診、問診、聞診、切診の四診を統合してお体の状態を把握しなくてはなりません。

悠伸堂では遠方の方はスカイプかお電話でご相談させていただいております。本当はスカイプだと望診ができるので嬉しいです!

この患者様の素晴らしいところは、漢方を飲んで体調が悪くなってしまっているのに漢方薬局にご相談に来てくれたところですね。

専門家にしっかり相談することで、悪化を進行させず速やかなお体の改善につながりました。

もし今飲んでいるものが合わないかもとご心配の方は漢方の専門家にご相談くださいませ。

愛知県岡崎市の漢方薬局 悠伸堂(ゆうしんどう)