月経周期がバラバラな方の漢方の考え方

正常な月経周期は25日から38日です。

1-2日程度の変動なら問題ないですが、大きく周期が変動してしまうのは周期を調節する機能が低下している状態です。

ひどい方ですと2か月で生理が来たと思ったら次は20日ほどなんて方も見えます。

生理周期の変動は周期の10%以内の日数を目指しましょう!!

周期不定の漢方の考え方

①脾虚

脾の働きは一言でいうと消化吸収などの胃腸の働きです。
イクゾー流漢方理論 おおまかな五臓 脾肺腎で簡単に説明させていただいています。
周期不定において脾の大事な働きは気血を作ることと統血することです。脾虚ではこの2つの働きが低下してしまいます。
気血が作れないと栄養分が不十分で卵が育てられなくなり、周期が延長してしまいます。
一方で出血しないように血を留める統血作用が低下すると血を留めておけず生理が早く来てしまいます。
脾虚で周期不定の生理不順の方には脾気を補う漢方薬を用いて治療してまいります。
生薬:人参、黄耆、白朮、党参など

②肝鬱気滞

肝の働きを簡単にいうと自律神経、末梢の血流の調節です。
イクゾー流漢方理論 おおまかな五臓 肝心で簡単に説明させていただいております。
ストレスが多い、生活が不規則だと体のバランスをとる自律神経が乱れてしまいます。そうなると、ホルモンバランスにも影響が出て周期が変動することにつながります。
肝鬱気滞の月経不定には肝の気を巡らす漢方薬を用います。
生薬:柴胡、香附子、木香、枳実など

③肝血虚

肝の大事な働きの1つが血を蔵するという働きです。血が充実していないと卵が育ちにくくなってしまい、周期が伸びやすくなります。
また、自律神経などの肝の疏泄作用は血が充実していないと働きにくくなりホルモンバランスの乱れにもつながります。
このタイプでは肝血を増やす漢方薬を用います。
生薬:当帰、芍薬、地黄など

④腎虚

腎は生殖と発育をつかさどり、子宮・卵巣機能と密接にかかわる臓腑です。
イクゾー流漢方理論 おおまかな五臓 脾肺腎に簡単に記載させていただいております。
この腎の機能が低下すると、卵の成長がしにくくなり周期が長くなりやすいです。
また、腎には封臓作用という力を留める働きがあるのですが、この封臓作用がしっかり働かないと生理が早く来てしまいます。腎虚においても経早と経遅を繰り返すことがございます。
このタイプでは腎を補う漢方薬を用いて治療します。特に動物性生薬は効果が高く、高価になりますが動物性生薬を用いることをお勧めしています。
生薬:地黄、鹿角膠、亀板、鼈甲、菟絲絲など

生理不順と不妊症の関係

生理周期が安定しているとご妊娠に結び付きやすいです。
タイミングをとるにあたっても周期が安定している方がタイミングも取りやすいですしね。

周期が不安定ということは、ホルモンバランスが周期ごとに乱れていることでもあります。
タイミングがとりやすくなるのみならず、周期が整ったらホルモンバランスが整ったという事です。

お子様を授かるために中医学では下記の3つの臓腑が大事です。
①原料調達の「脾」
②必要な力を送り届ける「肝」
③子宮・卵巣の力と密接にかかわる「腎」

生理不順と不妊症どちらも肝・脾・腎の3つが大事ということになりますので、中医学的には妊娠に確実につながります。

生理が不安定な場合においても中医学の考え方は何通りにも分けなくてはなりません。しっかりお体に合った治療をすることで、効果が出てまいります。是非ご相談ください。そして、周期を整えてご妊娠しやすいお体にいたしましょう。

愛知県岡崎市の漢方薬局 悠伸堂(ゆうしんどう)